カテキンと歯周病原菌

カテキンとは

人類はお茶を約5,000年前から飲んでいます。お茶には健康に役立つ物質が入っています。それがカテキンです。
カテキンはお茶の渋みのもとで、無色、無臭です。その構造のなかにポリフェノールが存在するのでいろいろな作用を発揮でき体を守ります。
茶の葉にはカテキンが10~15%存在し、主なカテキンは4種類です。

そのうち最も多くて作用が強いのはエピガロカテキンがレート(EGCG)です。これは人工的に合成できません。

緑茶抽出液中の主なカテキン

カテキンの効果

カテキンには、次の様な効果があり、人や動物に対して様々な研究がされています。

  • 殺菌作用
  • 抗ウイルス作用
  • 抗酸化作用
  • 虫歯菌の増殖を
    抑える
  • 体脂肪減らす

犬猫の口腔疾患

犬や猫では歯周病を中心とした口腔疾患が多く、
歯を無くすだけでなく、進行すると髄膜炎や顎顔面疾患などを引き起こす事になり、
口腔の健康維持が大変重要です。

歯周病

歯の表面や歯肉の縁の下に堆積する歯垢は、その約80%は細菌です。
歯周病の発生や進行に関与する原因は、個々の動物の性質、食べ物、ストレスや病気、そして時間の因子が複雑にからみあい、加齢に伴い変化し病的状態の歯周病に変化していきます。

犬において歯周病原性細菌は、加齢にともない口腔から高頻度で検出されます。(図1)
猫も同様に歯周病原性細菌が増えると、歯肉の炎症レベルが高くなり口臭が強くなります。(図3)

  • 図1 加齢に伴う歯周病原性細菌(Porphyromonas菌属)の増加
  • 図2 加齢に伴う歯肉炎指数の増加
  • 図3 加齢に伴う口臭レベルの変化

磯貝恵美子.『ペットフードの開発と市場』.シーエムシー出版.2001

カテキンの歯周病予防効果

カテキンの殺菌作用は、犬猫の歯周疾患の軽減または防止にも役立ちます。

①歯周病原性細菌の著名な減少、②歯肉の炎症の鎮静化、③口臭の減弱の3つの効果が得られています。
歯周病を有した動物の口臭の主な原因は歯周病原細菌のつくりだす硫化水素などの悪臭物質が減少したためと考えられます。

カテキンの殺菌作用の効果

虫歯菌、バイオフィルムの増殖抑制

犬や猫でも虫歯(う蝕)は起こります。甘味のある人間の食べ物を食べたりすることで生じますが頻度もレベルも人に比べれば低いです。
しかし、進行すれば口腔の機能が損なわれます。

カテキンはその原因となるミュータンス菌の抑制を阻害します。

エピガロカテキンがレート(EGCG)による
口腔ストレプトコッカス(ミュータンス連鎖球菌)に対する殺菌作用

コントロール
コントロール
EGCG 処理
EGCG 処理

また、歯の表面に生じるの細菌の集合体バイオフィルムの増殖抑制効果もあります。
バイオフィルムとは歯垢(プラーク)が歯の表面に堆積し粘性のある膜を作っている細菌の集合体で歯周病の原因に。

C:未処理のバイオフィルム
C:未処理のバイオフィルム
D:バイオフィルムに0.2g㎎/mlのEGCGを加え、24時間放置したもの
D:バイオフィルムに0.2g㎎/mlのEGCGを加え、24時間放置したもの

(社)日本獣医学会の許可により、Bai et al. J Vet Med Sci, 78: 1439-1445, 2016より転載

ペットフードへの応用

このようにカテキンには優れた殺菌作用がありペットの口腔内の健康維持に役立ちます。
しかしカテキンは苦みを持っているので動物はこの苦みを嫌うためそのまま「飲用水」として与えても飲みません。
「ペットフード」として与えることでその効果を体内に取り入れられます。

ペットフードに利用されている緑茶抽出部はカフェインを除いており、
「カテキン」だけを抽出していますので、ご安心ください。